住宅資金シミュレーション ケース03
この資料だけでは完済年齢、利息、家計の安全性を判定できません。未入力条件と50万円の資金差を埋めてから三案を計算します。
夫35歳・妻32歳・子ども2人、総額4,900万円の新築計画です。完成済みの試算ではなく、借入額の差や未入力条件を確認し、誤った結論を避けるための事例として紹介します。
| 家族 | 夫35歳・妻32歳・子ども5歳と2歳 |
|---|---|
| 新築総額 | 土地・建物・付帯工事・諸費用 合計4,900万円 |
| 頭金と借入 | 頭金150万円・借入4,800万円 要確認 |
| 返済条件 | 40年・元利均等・ボーナス返済なし |
| 契約上の完済 | 年齢から単純に見ると夫75歳 |
| 現在の段階 | 入力済みヒアリングシート 最終結果は未計算 |
結論 この資料だけで返済可否を決めてはいけません
今回のモデルは、夫35歳・妻32歳・第一子5歳・第二子2歳の4人家族です。土地、建物、付帯工事、諸費用の総額は4,900万円。頭金150万円、住宅ローン4,800万円、返済期間40年と記入されています。
この資料は完成済みの住宅資金シミュレーションではなく、計算前のヒアリングシートです。月返済額、総利息、繰上返済回数、70歳時点残高、教育費総額はまだ算定されていません。空欄を都合のよい数字で埋めて結論を出すことはできません。
現時点で分かるのは、40年をそのまま返せば年齢上は夫75歳で完済することと、総額・頭金・借入額に50万円の差があることです。まず入力条件を確定し、その後に繰上返済なし、光熱費のみ、教育費終了後に追加する三案を比較します。
総額と資金調達額に50万円の差があります
新築総額4,900万円から頭金150万円を差し引くと、通常の借入額は4,750万円です。入力された借入額は4,800万円なので、資金調達額が総額を50万円上回ります。
この50万円が予備費、融資手数料、家具・家電など総額外の費用であれば、その内容を総額へ加えます。借入額の入力誤りであれば4,750万円へ修正します。差額の理由を確認せず4,800万円で返済結果を公開すると、月返済も総利息も実態とずれます。
40年返済は夫75歳まで続きます
夫35歳で40年返済を始めると、契約上の完済年齢は夫75歳です。入力欄の希望完済年齢も75歳となっています。65歳定年後に10年間返済が続く可能性があります。
金利条件は当初5年間1.5%、6年目から10年目2.0%、11年目以降2.5%の暫定値です。ただし5年ルール、125%ルール、繰上返済手数料は未確認です。月返済額を出す前に、金融機関の商品条件と金利変更時の扱いを確認します。
このヒアリングシートには返済額の計算結果がないため、本記事でも月返済や利息を新たに確定値として掲載しません。正式な試算が完成した時点で追記します。
妻の将来年収120万円は開始時期が未確認です
夫の現在年収は税込490万円、妻は0円です。妻のフルタイム後年収として120万円が記入されていますが、働き始める時期は空欄です。
収入額だけ分かっていても、何年目から返済原資に使えるかが分からなければ資金繰りは計算できません。妻の収入は開始時期が確認できるまで0円として扱い、夫の昇給率1%も上限が未入力のため、無期限に増える前提にはしません。
夫65歳、妻60歳の退職後収入、退職金、年金も未入力です。75歳完済を検討するなら、65歳以降の手取り収入を先に確認する必要があります。
教育費は子ども2人分でも総額が未計算です
第一子5歳、第二子2歳で、進路は2人とも公立高校までと記入されています。大学、短期大学、専門学校の費用は計上しない設定です。しかし教育費の物価上昇率が空欄のため、高校卒業までの総額とピーク年はまだ計算できません。
第一子と第二子は3歳差です。中学、高校の時期が一部重なるため、年ごとの教育費を並べ、住宅ローンの金利上昇時期と重なる年を確認します。学習費総額には学校外活動費が含まれるため、習い事や塾費を別に入力する場合は二重計上を避けます。
大学費用を0円とすることは、将来不要という意味ではありません。進学方針が未定なら、住宅購入の安全判定とは別に大学資金の準備額を表示します。
生活費と光熱費を二重計上しないことが必要です
基本生活費は月22万円、現在住居費は月8万5,000円です。生活費には光熱費を含むと記入されています。新築後は現在住居費を住宅ローンへ置き換えるため、家賃と住宅ローンを同時に計上しません。
電気代月1万2,000円、ガス代月8,000円の削減見込みがあり、合計は月2万円、年24万円です。ただし専用口座へ積み立てる割合が空欄です。全額を返済へ回すのか、70%など保守的な割合にするのかで完済時期が変わります。
生活費に光熱費が含まれているため、削減後の生活費を下げたうえで、同じ2万円を別途収入のように加えると二重計上になります。計算方法を一つに統一します。
三案比較の前に決める八項目
- 借入額を4,800万円と4,750万円のどちらにするか確定する
- 妻が働き始める年と実際の手取り収入を確認する
- 夫の昇給上限、定年後収入、退職金、年金見込額を確認する
- 教育費の物価上昇率と大学進学資金の扱いを決める
- 生活費22万円の内訳を確認し、光熱費との二重計上をなくす
- 光熱費削減月2万円のうち専用口座へ積み立てる割合を決める
- 金融機関の金利変更ルール、繰上返済最低額、手数料を確認する
- 建築後に残す預貯金と生活防衛資金の最低額を決める
確認後に比較する三つの返済案
条件がそろった後は、次の三案を同じ前提で比較します。
- 繰上返済をしない場合の月返済、総利息、70歳と75歳の残高
- 実際に確認できた光熱費削減分だけを積み立てる場合の完済年齢
- 第二子の高校卒業後に月3,000円を追加する場合の完済年齢と教育費への影響
比較では、月返済の低さだけでなく、教育費のピーク、定年時の残高、建築後に残す現金を同時に確認します。希望する75歳完済を達成しても、退職後収入で返済が続けられなければ安全とは判定しません。
最終結論
総額4,900万円・頭金150万円・借入4,800万円・40年返済という入力だけでは、購入可能とも見送りとも判定できません。50万円の資金差、妻の就業開始、教育費上昇率、積立割合、退職後収入が未確定だからです。
完成済みのように見える数字を先に作るより、不足情報を明示してから計算する方が、住宅購入後の家計を守れます。この事例は、住宅ローン審査へ進む前に何を確認するかを示すヒアリング例として公開します。
計算資料を確認する
記事は判断の流れを読みやすく整理したものです。年ごとの残高や計算条件は、元の資料で確認できます。
ケース03のPDFを開くよくある質問
なぜ完済年齢や利息が掲載されていないのですか
この資料は計算前のヒアリングシートで、借入額や積立条件に未確定項目があるためです。条件確定後に三案を計算します。
借入4,800万円は正しいですか
総額4,900万円から頭金150万円を引くと4,750万円です。50万円の差が予備費などか入力誤りかを確認します。
妻の将来年収120万円を返済原資にできますか
開始時期と手取り額が確認できるまで返済原資には含めません。確認できていない将来収入を前提に借入額を増やさないためです。
正式計算に必要な資料は何ですか
夫婦の収入資料、家計簿、見積書、ローン商品説明、電気・ガスの請求書、預貯金残高、教育方針、年金見込額などです。
住宅資金資料
スマートフォンでも確認できるよう、資料をページごとに掲載します。画像を拡大してご覧ください。



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※本記事は提供資料の入力条件に基づく概算・暫定計算です。金融機関の融資承認、将来の金利、収入、支出、光熱費削減額を保証するものではありません。未確認・未計上の項目は本文に明記しています。
教育費の参考:文部科学省 令和5年度子供の学習費調査
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